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作者 酒井真弓(MSリサーチ)
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ロサンゼルスでフローズンヨーグルト戦争が起きている。その波は米国中を駆け巡り、市場を巻き込んだ大きな革命となった。鍵を握ったのは韓国人企業家たちと、その優れたプレゼン力だった。
ロサンゼルスでフローズンヨーグルト戦争が起きている。

仕掛人は、韓国人女性へジョン・ホワンさん(33歳)、1992年にロサンゼルスの南カリフォルニア大学へ留学、ビジネス大学院で修士号を取得した。彼女とボーイフレンドが2005 年に起業したフローズンヨーグルトの店「ピンクベリー」(http://www.pinkberry.com )は爆発的な人気を呼んだ。最初の店舗ウェストハリウッド店の前には長い列ができ、1時間待ちという状態が続いた。650平方フィート(72平方フィート)の店舗の平均来客数は1日1300人から1600人、売上げは年間100万ドル(1億1800万円)に達したという。起業から2年半で17店舗を展開、うち3店はニューヨークに開いた。2006年暮れにはディズニーランドから、ピンクベリーを買収したいとの申し出があったという。
ピンクベリーの特徴は、その優れたプリゼンテーション力にある。添加物なし、防腐剤なし、ナチュラルで低カロリー、新しく受け入れやすい味、これらをピン
クベリーは「ピューア、シンプル、正直」な商品として祭り上げた。環境保護やフィットネスへの意識が高い層をターゲットとし、中流の上の地域に絞って店舗
を開設してきた。
ピンクと若草色のクリーンでキュートなロゴ、ポップでクールでかつ暖かい印象を与える店のデザイン。ヨーグルトとトッピングを提供するカウンターセクショ
ンは、清潔感をアピールするブルーと白のデザインだが、座席回りは、白い丸テービルを引き立てるようなアーストーンとライトグリーンの暖かい色づかいだ。
床は、小石をシート状したぺブルタイルを使っている。アメリカではプールやパティオ周りの床材料として普及しているものだ。ピンクベリーはこれを自然との
つながりを感じてもらうコンセプトであるとしている。
ピンクベリーは、容器に盛り付けた真っ白なヨーグルトを「キャンバス」と表現する。「パレット」は好みで選ぶフルーツ、チョコレートチップなどのトッピングでのことだ。キャンバスをあなたの好きなパレットで彩ってください、という意味だ。
ヨーグルトはプレインとグリーンティの2種類だけ。グリーンティは、日本製の抹茶パウダーを混ぜて使っているという。トッピングは、ブルーベリー、ストロベリー、すいかなどのフルーツのほかチョコレートチップ、味つきコーンフレークなどから選択できる。昔の日本の瓶入りヨーグルトに近い素朴でほんのりした酸味に加えスムーズで濃厚なテキスチャーは舌の上でさっと溶けてゆき、まさに脱帽したい。
アメリカにはフローズンヨーグルトチェーンや店舗はすでに多数存在している。いずれもアイスクリームの代用品の位置づけで、酸味を排除し甘みを前面に出した味が主流である。ピンクベリーの味はアメリカ人にとって新鮮な驚きであったことは間違いない。
ピンクベリーに続けと、類似チェーンが続々と開店している。
2006年夏に開店したキウィベリーは、韓国人の経営で、店舗コンセプト、ロゴはピンクベリーと瓜二つ、だが価格はやや低い。現在トレードマーク侵害でピンクベリーが提訴している。
食べ放題の大型日本食レストランを22店全米展開する「トーダイ」もフローズンヨーグルトチェーンの「フィオレ」(http://www.cefiore.com/ )を開店、今年中に14店舗に増やす計画だという。韓国で170店を持つレッドマンゴは、酸味系のヨーグルトの元祖に当たる存在だが、ピンクベリーの成功を知り、急遽アメリカに進出、ロサンゼルス校外に第1店を開く予定だという。
アメリカという市場をキャンバスに例えるなら、世界各国で動いているビジネスはパレットだ。酸味フローズンヨーグルトという新しいキャンバスを創造したのは韓国人起業家たちである。
今年のロサンゼルスの夏は、ヨーグルト戦争がいっそうヒートアップしそうだ。
酒井 真弓 Mayumi Sakai |
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■筑波大学付属小~高校を経て中央大学法学部卒業。プレスインターナショナル(東京)、JBA(南カリフォルニア日系企業協会)事務局次長を経て1991年、ロサンゼルスにてMSリサーチを設立、現在に至る。
■著書に「米国の人事管理100のキーポイント」(1992年、ジェトロ発行)、「南カリフォルニアの子女教育のすべて」(1989年、JBA発行)がある。他に毎年3~5本のペースでコラム等を執筆。大学等での講演、シンポジウムやセミナー等のイベントを数多く企画~運営。また、ロサンゼルスの日本語テレビ局(Japan America Television)で1986年から2000年までインタビュー番組の企画・キャスターを勤めたことも。
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