| 霜野隆 ─桐に魅せられて…デザインに自然素材を! |
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| 作者 商業施設研究会 | 2008/05/23 金曜日 17:26:50 JST | ||||||||||
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日本人の裸足文化を基本に桐をはじめ珪藻土、大谷石などの自然素材にこだわり、居心地の良さ・快適さを追求するデザイナー。自然素材を使ったプロダクトの開発、販売も「MOM HOUSE」にて展開する。そんな霜野氏に、空間デザインにおける自然素材の魅力とその活かし方を取材した。
「 普通のフローリングと桐のフローリングがどれだけ違うか体感したこと、あります?」
写真①左:桐 右:一般のフローリング材
───そう言って冷蔵庫の中から桐のフローリング材と一般に使われるフローリング材の2種類の木板(参照:写真①)を取り出す霜野氏。それぞれの板に触れてみて、その温度と感触のあまりの違いに驚いた。
桐は国産の他の木材と比べて熱伝導率が一番低いので冷たさを感じないんです。それに冬目(木目)が凹むから肌触りが優しい。耐水性もあって夏でもベタベタしなくてサラサラなの。裸足で歩くとこれがまた気持ちいいんですよ。それなのに多くの人が右側のフローリングの上で生活しているんです。
こんなに冷たくて結露している床って、冬になったら絶対に裸足で歩きたくないですよね。
暖かく優しい感触の桐の床
10年以上前に通商産業省(現・経済産業省)が実施した、在宅介護のための実験住宅の設計に参加したんです。今の住宅、これからの住宅に、車いすのサイズや動き、段差解消とかをどういうふうに取り入れたらいいのかといったことを検証のための住宅です。つまり「福祉」のための家には、床・壁・手すりはどうするか、どんな素材が適しているのかということを検討するんです。あの頃だと、床だったらコルク、ニードルパンチ、絨毯、畳やなんかが挙がったんですけど、畳はヘリで 引っかかるし、コルクも汚れやすくて伸び縮みしやすい。そうすると木しかないかなということになって。 ───それで桐を採用されたわけですね。
桐を使った小物
───そういった特性を活かしたプロダクトもデザインされていますね ───では、実際に桐など自然素材を使ってデザインされた具体的な物件を教えてください
用途に合わせて空間を変化できる
これは、名古屋の自立支援のための宿泊施設付デイケアセンター福祉施設。これは自分が年をとって通うということを想像して、自分自身が行きたくなるようなところにしたかった。利用者の個々のプライバシーにポイントを置き、イベントや機能リハビリにあわせて空間構成を変化できるように工夫してあります。自然素材の持つ質感、機能、性能を生かした仕様を適材適所に用いています。桐の浴槽、建具、腰壁、家具や珪藻土の壁、天井、無垢材の家具などで空間に豊かさをもたせ、利用者に居心地の良さを提供できるようデザインしました。
ゴム製の手摺
───特に素材にこだわった部分というのは?
たとえば脱衣所のイス。お風呂から上がって着替えるときにイスに座った状態で着替えさせるので、体が濡れた状態で座っても気持ちの悪くないものにしたかった。そうするとビニールは気持ち悪いし、革はもちろん水がダメだけど、桐なら温かくて水もはじくということで座面に桐を採用しました。 ───ご自宅もご自身でデザインされたそうですね。
霜野邸
はい。「裸足の生活」をコンセプトに、山梨の自然環境の中で桐の床、家具、建具そして壁、天井は珪藻土・・・とやはり自然素材を用いて設計しました。開口部は必要最小限にし、間仕切り、開口建具も最小限にすることで開放的で将来の生活スタイルにも対応できる可能性をもった住まいにしました。60坪3階建てで、ドアは8枚しかないんですよ。
広い吹き抜け 3Fからリビングが見下ろせる
家を建てて約10年。妻と娘たちがそっちに住んでいて、僕は平日は東京で仕事をして週末に山梨に帰るという生活です。それでも毎週末ほぼ100%帰ってるんじゃないかな。向こうに帰ると一切仕事はしません。僕は向こうでは軽トラに乗ってるんですよ。2シーターの隣に愛犬の「キリ」を乗せてね。バイクの後ろにも犬用のケージを取り付けて富士五湖めぐりをしたりしています。 こういう風に自然素材の持つ力というのを活かして、デザインは別として、結構良い空間づくりしてるなぁとは思うんですけどね(笑)。 「自然素材は、ぬくもりがあって良いですね」って言われることがあるんですけど、若い人が言ってもまだその言葉と感覚にズレがあると思うんです。でも僕ぐらいの年齢になると、本当にその言葉の重みというか、自然の良さっていうものが実感としてわかってくるんですよね。 ───最後に、今後何か新しく予定されていることは? 商店街活性化のための「商環境再生推進機構」っていうNPO法人を発足したんです。今全国には1000か所ぐらいのシャッター街がある。その「活性化」、「再生」を国の支援のもとに活動していくんです。いろんな職種の人が集まってそれぞれの専門分野の知識や意見を持ち寄って活動するんですけど、僕は自然素材をメインにした空間づくりや福祉施設を手がけているということで、参加することになりました。まだ実際の活動は始まっていないんですが、大手商業施設との共存や店舗、商品など商店街全体をプロデュースするという感じです。職種が本当に多種多様ですし、コンセプトなど含めてなかなかおもしろいことになりそうです。これまでの商店街のイメージを覆してしまうような真新しいものでなくていいので、常に何かを地域に発信して、いつも賑わいのある商店街づくりに貢献できたらなぁと思っています。
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| 最終更新日 ( 2009/06/29 月曜日 10:39:06 JST ) | |||||||||||
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その前に、今度はじゃあ木だったら何がいいんだろうということになりました。杉・ひのきには「ふし」があるから引っかかりやすい。ということで最初は、樺材、桜の木を使いました。でもちょっと違うなっていう思いは残っていて、その後もずっと何か良い木はないかって探していた。それで今度は今市の物件をやることになったときに、たまたま新潟に桐で床をやっているっていう人がいて、その方に交渉して協力してもらったんです。でも桐の床なんて他に誰もやっていなかった。だからそれをきっかけに、桐について調べ始めたんです。そうしたら思っていた以上に、おもしろいくらい他の木とは全く別の特性があってね。こんな特性を知ったらやっぱり生活空間の中で活かしたいっていう思いが出てきたんです。
