#03 コラブ・スタジオ プリント メール
作者 Jim Parker    2009/01/01 木曜日 09:39:04 JST
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#03 コラブ・スタジオ
Butterfly Garden

コラボ・スタジオはアートと建築の境界線を越えた協同研究所 (co-lab)を目指し、1999年にマシュー・サレンダーとマリア夫妻によって設立。住宅や商業建築だけでなく、アトリエやインスタレーション、パブリックアートなどを同時に手がけることで、アートと建築が相乗効果を生み出す。

Matthew Salenger
Matthew Salenger
Maria Salenger
Maria Salenger

 

 

 

 

 

 

Homepage: http://www.colabstudio.com
Address: 1614 E. Cedar St., Tempe, Arizona 85281
Phone: 1-480-326-0541
Fax: 1-480-326-0541
Email: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。確認するにはJavaScriptを有効にして下さい


 

Matthew: モダニズムの多くのアイデアは日本の伝統的な建築から拝借しています。日本の伝統的な建築は、素材、特に木材の使い方が実にシンプルでミニマリズム化(極限まで単純化)されて、軸組みの構造そのものが居住空間となり、まわりの環境とも特別のつながりも持っています。日本建築は、「建築」と「ランドスケープ」の関連を語る好例と言えるでしょう。こうした発見ができたのは、私がハワイ育ちだったからかもしれません。ハワイにもこれと似た環境があったんです。もう一つハワイで得たことは、建築を取り巻く環境。とりわけ自然への理解です。10歳までは海の近くに住み、その後1000メートルを越える山に住みました。このことが、造園計画や自然の興味につながったのかもしれません。
妻マリアの建築のバックボーンはアリゾナ大学で学んだモダニズムでした。その後、彼女は美術も勉強しています。私達はロンドンで別々の大学院で異なる学科を選びました。すでに建築学士だった妻は、その後彫刻美術学士も取得し、私もロンドンの大学で建築修士を取得しました。マリアと私は卒業後、大学で知り合った日本人の友人を頼りに、数週間日本を観光します。どれもすばらしい経験でしたが、特に九州での経験は格別でした。この時の経験が私達のその後の活動に影響を与えます。二人の処女作である住居と寝室を別棟に分けた家などは、日本での影響によるものです。この作品は、私のランドスケープ感と、マリアのモダニズムの概念から生まれたものです。
私たちの設計は、建築をそれ自体の構造以上に、それを包み込む周りの環境に注目しているところに、日本的な感性の影響があることを見て取っていただけることでしょう。ここが私達の原点なのです。


London Park Project ロンドンパークプロジェクト

 

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大学院時代、ロンドンに大きな公園を計画してみました。ハワイ育ちの私には(妻のマリアにおいても)、ロンドンのような大都市に暮らした経験がありません。自然の不足している街だからこそ、あえてランドスケープというテーマで自然とのかかわりに挑戦してみました。こうした観点から同じ問題を抱える、ニューヨークやベルリン、パリの大都市にも魅了され、理解しようとつとめました。
観察の結果、私には都市自体が、建物の中にあるような、内側に向かった空間ではないかという考えが芽生えてきます。
少し補足しなければいけませんね。私の考えでは、都市は潜在的に自然を排除しようとします。自然や荒野を切り離そうとするのです。これは、そこに住む市民を安全に保つためです。たとえば都会で熊に出くわすようなリスクを排除することです。また、都市では食料や水などを直接生産する場所でもありませんから、過不足の無い、コントロールされた安全な環境が約束されています。
しかし時には都市という「巨大な建物」の外に出て、自然を間近に感じてみたくなることもあるわけです。私が思いついたのは、ロンドンで取り残された場所でこの試みを実現することでした。そこは有名なキングスクロス駅の周辺です。この地域は百年も前から再開発の計画があったのですが、今まで一度も実現したことがありませんでした。
私が提案したのは全長1キロに渡る、おわん状に湾曲した公園です。公園はおわん状に外周がせりあがっているため、中に入ると、外の景色が見えない仕組みになっています。湾曲したエッジの高い部分には、ロンドンで老朽化が進んでいた動物園を配しました。こうすれば公園のどこからでもキリンなどの動物が見え隠れして、より自然の中にいる感じになりますからね。

London Park: Elevated View

湾曲して競りあがった部分の下は レストランなどの商業施設に利用できます。アップダウンのある、野性的でそれでいてロマンチックな環境になるよう計画しました。これは、私が建築と環境をバランスよく影響しあうように計画した最初の取り組みでした。この後、私にとって「建築物」を計画することは、周りの環境も大きな意味を持つようになります。 


StoneHaven ストンヘバン

Colab Studios: Stone Haven スコツデール市にデザインしたゴルフ・クラブハウス“ストンヘバン”は私の建築哲学を語る好例でしょう。私はこのクラブハウスを、自然が将来的に建築物を覆い尽くすようにデザインしました。砂漠の環境は手付かずのままにして、私は建築物を砂漠にドンと置くのではなく、浮かせるようにもしくは横たえるように配置してみたのです。
地形の変化も、この建物は受け入れ、内部空間へと取り込んでいくのです。床に格子をもうけ、この下に生えた植物は、建物の内部にも侵食していきます。
建物の屋根にも砂漠の植物が植えられ、時を追うごとに、砂漠の風景になじんでいきます。そして建築物は砂漠の環境に溶け込んでいくのです。


Extremes (インスタレーション展示)

Colab Studio: Extremes Exhibitこれは9-11事件のすぐ後に作成した展示です。事件後の人々の感情の機微を表現したものです。9-11事件の直後は、一時的に国が一つにまとまったような一体感がありました。しかしそれは長くは続きませんでした。
意見は分かれ始め、どこかに選択を求められる状態に追いこまれます。自由主義か保守主義かなど、白黒はっきりさせたがるのです。私とマリアは、この両極端な発想を空間で表現してみようと考えたのです。
空間の左右には、それぞれ125個の家の形のブロックが置いてあります。但し、置き方が極端に違っているのです。片方は固めて積み上げています。もう片方は広く分散させました。どちらが正しいとか間違っているということではありません。お互いに会話を拒んでいるかのように、ただそこに存在しているのです。もともと左右の二つが同じものだとは想像もできないと思います。
この展示は極端に白黒はっきり分けることの「限界と分割の概念」を表しています。ここで語りたいのは、文化や信念の違いがあっても、もともとは同じものだということです。そしてお互いに歩み寄ることのない、極端な発想には、危険が潜んでいるということです。


最終更新日 ( 2009/06/29 月曜日 13:14:19 JST )
 
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